02 INTERVIEW

yoshihiro nakao

中尾芳広 全 株式会社  代表取締役

昨日の闘いに勝ったから今日がある。そして今日も闘う。毎日。

私はやはり "いけばな” なんですよ。

_これまで何をしてきましたか。

ウィキペディアに掲載されている私のプロフィールは本当に人生の一コマだけなんですね。昔に遡って考えてみると、私はやはり "いけばな” の考えが基本になっているんですよ。いけばなの草月流を長きに渡ってやらせて戴いているのですが。フォトブックも何冊有るか分らないくらい昔からいけばなをライフワークとして続けています。
実は、毎年いけばなの個展も開催していて、今年は東京の自由が丘で開催しました。格闘技の選手として試合に出ていた当時から株式会社オンザリングとして美容ビジネスをやってきておりますが、選手引退後は、美容ビジネスを続けながら一般貿易・越境EC(ウェブショップ)での商品販売業務の2大看板と従来からのVIPインバウンドに加え、この8月下旬からは海外富裕層向けの医療ツーリズムを大手の大学病院との連携の下、ここ沖縄を拠点として進めています。
私はアマチュアレスリング選手時代、プロ格闘技家時代をとおして冬になると毎年1月から3月位までの3ヶ月は沖縄でトレーニングをしていました。沖縄は会社を設立する前からなぜかよく訪れるご縁を感じる場所ではありましたね。それから、義妹の親御さんの出身が伊平屋島なんですよ。その義妹に『沖縄いいところだよ』と言われたりしていましたね。


医療ツーリズムを変える。

多くの病院が海外からの受診者を受け入れる医療ツーリズムが日本でも活気を帯びてきておりますが、私たちの場合、これまでのVIP観光に加えて昨年(平成29年)の8月25日から最新設備を有する帝京大学医学部付属新宿クリニック様および帝京大学病院様と連携し、健康診断(人間ドック)から手術までを行う事ができる初めての試みをスタートさせたところです。
弊社では、医療国家資格を有し専門用語にも通じた中国語対応スタッフ5名(医療通訳及び健康診断書翻訳)、アテンド2名を待機させており、更にはお客様への中国語オペレーターによる受診前後のお問い合わせ相談窓口(4名)を設置済。受診後にはよりご満足戴くために観光のご案内をさせて戴く体制を整備しております。また、データ管理によるアフターフォロー体制を確立して参ります。
勿論、日本にいらっしゃる受診者の方々はVIPなので、気配り目配り、そして知識が備わっているアテンドをしっかり育て、ツアー自体の企画も私がしっかり考えてからスタートさせました。未だ少しずつですが、お客さまに毎回一人一人しっかり丁寧におもてなしをしております。
もうひとつの柱であるECサイトについては、これまで中国向け越境直送モデルのEC(美ZEN)を進めてきましたが、中国国営大手デパートとの太いパイプを築けたのを機に、これまでの中国デパートのモールへの出店スタイルから自社サイトへのリニューアルを準備中です。リニューアル後は、先ずは日本国内向けには、「WEBギフトショッピングモール」として東証一部上場企業および大手旅行会社の出資先企業と提携して3月2日のオープンに向けて準備を進めております(美ZEN.com)。


ベンチャーは意思決定が速い、心と心のビジネスを実現できる。

_何故、ベンチャーという選択肢を選んだのですか。

私は昔から、一番が好きでスポーツでも一番をとり、学業でも一番が好き。勉強は、東洋大学大学院の前期博士課程を経て、今年北京大学EMBA課程が終わったので来年から東京大学大学院の後期博士課程に受けるため猛勉強中。やはり勉強も一番がいい。
勿論、ビジネスも一番がいいです。
実は、3年以上前から今でも様々な企業さんからヘッドハンティングのお声掛けをいただいていて、それも全部、大企業の本部長であったり役員などのオファーなのですが、正直全く興味がないんですね。小さな頃から一番が好きで自分がトップを張れるベンチャーが自分には合っているのだと思います。飽くまで、自分で作った会社でトップを張りたいと思っています。
皆さんが考えて、どうして海外の大手企業さんが日本の大手企業ではなく、私の会社と一緒に組んでいるのか不思議ですよね?
中国の方に伺うと『昔の日本企業は、心と心でコミュニケーションを取ってきた。だけど最近の日本は上から目線で偉そうだ、しかも、何かあると直ぐに担当が変わったりとかする。それゆえビジネスが前に進まないケースもよく見られる。』と言われたんです。だからこそこのような時代に、ベンチャーにチャンスがまわってくるのだと思います。
また、海外からみて、最近の日本の問題点として、心の問題(EQ)、忍耐力、精神力の3つが欠けているのではとの話を耳にすることがありました。日本人に失われつつある心と心の繋がりの上に一歩ずつ長い年月を掛けてでもビジネスを築くことができるのがベンチャー企業のいいところだと思います。
私は国内外のお客様の心をしっかりつかむために何をすべきかをいつもお客様目線で考えています。だからこそ中国最大手企業と契約を結ぶことができたのかもしれません。先程ご紹介した医療ツーリズム事業のパートナーがこの大手企業の系列旅行会社で、この会社から中国VIPのお客さまをご紹介いただいています。
沖縄の中尾は中国最大手企業と連係させて戴き、東京の大きな大学病院とも連携させて戴いています。大きな契約を勝ち取る事ができたのは、決断のスピードが速く、心と心のビジネスを築きやすいベンチャーだからこそなのかもしれません。スピードの決め手は、私は「直感」だと思っています。直感が働かないとこの時代、なかなか勝つことが出来ないのではないでしょうか。


どんなことがあっても油断を与えない

_これまでに、どんな失敗(チャレンジ)を経験しましたか。

私は決断を下すために物事をよく観察し、これは私にできるのか?それともできないのか?を十分検討してから判断を下してきました。その中でも大きな失敗が格闘技時代の失敗です。以前PRIDEに参戦していた時のことで、2戦目の試合のことです。相手選手の実績からみて正直、楽勝だと思い心に隙間が生まれてしまいました。
そして私はリングで闘う3日前にいつもは直前には肉類を選択するにも関わらず、すしを食べてしまい減量中の体調だったためか食中毒になってしまいます。それから試合当日まで病院で寝たきり状態です。吐きながら病院を出て試合会場へ向かったのですが、案の定、試合は判定負けとなりました。自分の行動の悪さによって試合に負け、入院することになりました。でも、結果は自分が弱かったから負けたのであり、自分に負けたということです。試合後には、K-1創設者の石井館長から連絡があり、「中尾、調子が悪そうだったな。でも言い訳はだけはするなよ。」と、声を掛けて戴きました。
その試合後実に1年6ヶ月の間、試合のオファーがありませんでした。この時間は私にとって本当に辛かったです。が、「言い訳しない。」ことの学びの場として失敗を自分のプラスにする「よい失敗」切り替えて行きました。今でも言い訳は断じてしません。


人がビジネスを選んでいるのではなく、ビジネスが人を選んでいる

私はビジネスを始めるとき、常にゴールから見ています。ゴール/市場/お客様からの目線で、何が足りないか?外国のお客様、日本サイドの考え、メーカーの考え、各々の立場からこれまでの人生経験に基づいて考え判断しています。
決断する時にはいつも「時の流れ」において人間が生かされているとの思いを抱きます。どんなことも自分が決めたことに「掴まり」諦めなければ必ずかなうことを知っています。何故なら時が人を選んでいるだけでビジネスも人を選んでいる、そのことを私はよく知っています。
ビジネスと人との関係性なんですが、自分からビジネスを選択していくのではなく、神様がその人にビジネスを与えてくれるものだと思っています。だから、人がビジネスを選んでいるのではなく、ビジネスが人を選んでいる。
私が抱えている今の仕事は神様が『こういう時代だからこそ、中尾にこの仕事を振ろう』と。私に仕事を与えてくれた。常に、そういう感覚があり、必ず諦めず自分に与えられた使命を全うしたい。


キツいけれどもやらなければいけないという使命感

_ベンチャーが故、辛かったことはありますか。

正直感想を述べると毎日が闘いです。「一日一日に勝つ」。その積み重ね。昨日の闘いに勝ったから、今日がある。そして今日も闘うし、明日も闘う。それを毎日やる。だから、私は休みを取らないし、夜も遅くまで仕事しています。飲みながらでも働きます。必ず側にノートを置いていますし、枕元にもノートを置いています。なので部屋中がノートだらけですね。
私は朝6時に起きて走るんですよ。芝生の上を走っていると必ず2つくらいはアイディアが浮かぶので、必ずメモ帳を持って走りに行きますね。海外の大企業とか普通、小さな会社と契約しないですよね。だけど実際に契約を結ぶことができた。使命感をもって一日一日を闘っています。


本当に腹を括って覚悟を決める

_プロジェクトを走らせるモチベーションは何処からくるのですか。

私の場合、いつも物事を進める際に本当によく考えて『腹を括る』んですね。
この仕事に腹を括れるか?本当に腹を括って覚悟を決めれば、後はコツコツやるだけです。そして絶対に諦めない。それをやる覚悟をしているかどうかですね。その本気度を決めるモチベーションは何処から来るのか?と問われることもありますが、モチベーションと言うより、やらなければならないという使命感はありますね。


私は名刺を交換したら必ず手紙を書きます

_ベンチャーを成功させる上で大切に思っていることは。

ビジネスをゴールから見て戦略を考える事が大切です。成功するために何が必要なのか?それが見えている段階でスタートを切ることです。スタートを切ればその必要なパーツを拾って下っていくだけですね。そして腹を括って覚悟を決め、後は耐えて諦めない。それだけです。そしてリーダーとして必要なことは人を惹きつける力です。これがあれば問題ありません。
私は名刺を交換したら必ず筆で手紙を書かせていただきます。偶然お会いした中国国営大企業の天虹の方に手紙を書いたら天虹の方から商談にやってきたんですよ。それから、契約に結びつきました。


目指せ アジアのハブ

_プロジェクトを成功させた後、考えていることは。

沖縄という場所をよく見てみると、こんなに素晴らしい地勢にあるところもなかなかないと思います。私には好転しているところのようにみえます。沖縄は歴史的にも貿易で栄えた街です。だからこそ日本のへそであり、日本の重要拠点地であることは間違いない。目指せ香港!超えろ香港!